湿原は、生物群に恵みを育むだけではなく、水環境にも大きな効用をもたらします。例えば、釧路川は年間の流量変化が小さい河川として知られていますが、それは湿原が水量を調節する「池」として働いていることによります。 また、湿原には過剰な流入有機物BOD ( BODについて見る )や栄養塩(栄養塩について見る)を、植物相や低層土壌によって固定化、軽減する作用があることも現在研究されています。 これは湿原が「自然界の浄水場」的役割を担っていることを意味し、流域下流における水利用の観点からは歓迎することですが、一方、その過剰な環境負荷が湿原に蓄積されていることとも同義で、その影響が懸念されています。 |