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根釧地方の家畜飼育による畜産製品の生産はこの地域において最大の産業の1つです。特に乳牛飼育による生乳・乳製品の生産はその核であり、乳牛 飼育頭数も平成12年に少し減少したものの、近年まで一貫して増加の一途をたどってきました。


釧路湿原に流れ込む河川流域の乳牛頭数(左:1970年、右:2000年)
乳牛頭数が多い箇所程、色が濃く表示されています。

図は、釧路湿原に流れ込む河川流域の乳牛頭数を表しています。境界は、個々に固有の流域を示しています。この図に示された釧路湿原に流れ込む河川流域において、総乳牛頭数は約17,000頭から39,000頭に増えました。特に、標茶周辺(図中上方)においては著しく増加しています。 乳牛1頭から排泄される糞尿量は人間の約50人分にあたると言われていますので、糞尿量による環境負荷を人間に換算すると、30年間で約110万人増えたのと等しいことになります。
このような環境負荷は、過剰な窒素、リン等の栄養塩の供給や、BOD(生物化学的酸素要求量)を増大させることになり、水生生物や湿原の植生に深刻な影響を与える可能性があります。

私達は普段から牛乳やチーズといった乳製品を口にしています。これらの製品は私達の生活に根付いています。単純に乳牛の生産を止めればということではなく、このような現状を踏まえて、家畜生産と湿原保全の両立を図っていく必要があります。

ちなみに、湿原周辺5市町村の人口を見ると、トップは釧路市の19万人ですが、乳牛1頭=人間約50人で計算すると、糞尿量では、標茶町が163.6万人分でトップとなり、人口206万人の札幌市と肩を並べることになります。
湿原周辺5市町村の人口と乳牛数
人口換算は糞尿量の人対乳牛比(49.2人/頭)に基づいて計算されています。


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