釧路地方の気象条件
湿原のある釧路地方は年平均気温が5.5℃前後と、亜寒帯気候に属する北海道の中でも最も寒冷な地域の1つです。 また海霧の発生が非常に多いことでも知られています。この冷涼多湿な気候は、キタサンショウウオなどの氷河期からの遺存種を多数含む特異な生物層を湿原にはぐくんできた大きな要因の1つです。
右のグラフは、釧路市と、札幌市及び東京都の月別平均気温を比較したものです。特に夏が顕著ではありますが、釧路市は、1年を通してその気温が低いことがよくわかります。
1960年〜2002年までの釧路市の霧の発生日数については、ほぼ毎年100日以上となっており、釧路市が、「霧の街」と呼ばれる由縁と言えます。 |
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霧発生の仕組み
釧路では霧の発生日数が年間平均100日以上と大変多いことで知られていますが、なぜそんなに霧が発生するのでしょう? それは釧路の位置する立地条件、海流、気団が複雑に関係して「移流霧」という種類の霧を発生させる条件が見事に揃っているためです。
釧路での海霧発生の仕組みについて見る |
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冷涼な夏に守られてきた湿原
この稲作には不向きな非常に冷涼多霧な気候は、釧路湿原に様々な生物を育んできた要因の一つであり、さらには人々をこの地での稲作に駆り立てることなく釧路湿原を比較的自然のままの姿で現在に残してきた要因の一つでもあります. 実際に、同じ北海道に存在していた比較的暖かい石狩地方の広大な泥炭地は、水田開発の民意の下大正初頭からのわずか数10年の間に湿地はほぼ消滅してしまいました。
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