ウインドウトップへ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 
土砂流入防止対策として、河川沿いに連続した水辺林をつくり、湿原流入部に土砂調整地をつくる必要がある。設置にあたっては、水質浄化の機能やビオトープ及びそのネットワークとしての機能を持つよう配慮すべきである。

[考え方]

・流域負荷の発生量を可能な限り少なくする。

・流域の負荷を粗粒土砂、細粒土砂、栄養塩に分ける。

・粗粒土砂については、湿原への土砂流入が少なかったと考えられる河川が蛇行して流れていた頃の負荷量に戻すこととし、現状から約4割軽減することを目標とする。

・細粒土砂については、具体的な数値目標を定めることは難しいが、各種対策による効果を検証しながら具体的に対策を進める。

・栄養塩は、窒素を指標として流域からの負荷量を概ね2割軽減することとする。

・流入負荷は、河川流量のピークと相関があると想定されることから健全な水循環の形成に努める。

[具体的施策]

水辺林・緩衝帯による土砂流入防止対策

■河川沿いの両岸に最低でも幅20m程度の連続した水辺林をつくることにより、土砂や栄養塩の河川への流入を軽減する。設置にあたっては、周辺の土地利用を勘案し、生態的価値を高める拠点を配置する。対象河川は以下の通りである。ここで河川延長は、河川法に基づくものであり、この区間を対象に詳細に検討した上で対策を実施する。


・釧路川(河川延長113.0km) ・雪裡川(河川延長34.3km)


・幌呂川(河川延長42.5km) ・久著呂川(河川延長45.0km)


・オソベツ川(河川延長26.3km) ・ヌマオロ川(河川延長31.0km)

■モデルとして、久著呂川を対象とし、後背地の開発や荒廃が進み土砂流入が多いと想定される湿原流入部から上流約15kmの区間について5年を目標に実施する。

■流域の負荷が多いと想定される農地の排水路や道路沿いに連続したブッシュ等による緩衝帯を整備する。

施策イメージ図 河川沿いの両岸(約15km 区間)

※上記写真は施策のイメージを示すものです。


土砂調整地による土砂流入防止対策


■湿原流入部や河川沿いの未利用地及び排水路合流部等に土砂調整地をつくり、土砂や栄養塩を一時的に貯留して、その量や質を調整する。設置にあたっては、ビオトープとしての機能を持つように配慮する。

■対象河川は、釧路川、雪裡川、幌呂川、久著呂川、オソベツ川、ヌマオロ川の6河川とし、河川沿いの未利用地等に土砂調整地を設置する。具体的には以下の通りである。

・湿原流入部において洪水時に低平地へ河川水を流入させ、沈砂池的な湿地の利用を行う。

・農業用排水路が河川に合流する前に沈砂池を設置する。

・河川沿いの未利用地や湿原流入部などに土砂調整地を設置する。

■これについては、久著呂川流域をモデルとして効果を検証しながら5年以内に対策を実施する。その他の流域についても検証のためのモデル箇所を設定したうえで実施する。


河道の安定化対策

■河岸侵食や河床低下を防止するために、河岸保護工及び床止め工を設置する。具体的には以下の通りである。

・中久著呂地区〜河川延長約1kmを対象に床止め工等の河道安定化対策を実施する。