
アッシュ島地区においては、ボランティア活動と連携し、植林による湿地林の復元、修復事業が進められています。また水路や堰を設置し、水位の調整を試みながら淡水湿地および塩湿地の回復、修復事業を進めています。あわせて、これらの経過についてのモニタリング調査もボランティア活動と連携し取り組まれている。地区内には、本プロジェクトのオフィスが置かれるインフォメーションセンター(旧学校長宅)があり、湿地林の修復に使われる苗木の育成、遊歩道の造成、データベースの構築などに取り組んでいます。
さらに、かつて農業用地として利用されていた(放牧など)湿地では、湿地環境への影響の少ない放牧や農耕が試みられ、ここでの生産物は、本プロジェクトの財源として活用されるだけでなく、湿地環境の持続可能な利用についての普及啓発活動の一つとしても位置づけられています。
トマーゴ地区では、砂丘地からの砂採取後、地形の修復と湿地林の回復を求めて、水路や沼沢地を造成し、数年ごとの修復サイクルを生かした植林・植栽事業を実施し、湿地林、湿性草原の回復を試みています。これらの湿地林、湿地草原は、コアラの採食地、回廊としても利用されつつあります。また、このような回復、修復事業についての普及啓発を求めて、遊歩道、サイクリングロード、カヌー用水路を設けて活用しています。
ストックトン地区では、ストックトン橋に近接するマングローブ林と結ぶ右岸河口域に人工砂丘地を、また、水鳥の生息地として期待できる水路、沼沢地を造成し、あわせて植林による湿地林の回復を試みて、隣接する車道との緩衝帯の構築を図っています。また、水鳥観測用の施設及び観測用遊歩道を設け、普及啓発活動に活用している。現在、多くのシギ・チドリ類が飛来し、ペリカン類の生息も確認されています。