現在地球温暖化問題をはじめとして、様々な環境問題が浮上しています。その昔、我々人類も他の様々な生物と同様に、複雑なバラ
ンスを持つ地球環境という“環(わ)”の中で共生してきました。しかし近年、文明の発達とともに森林を伐採し、水環境を汚染し、化石燃料を燃やし大気を汚染する等、人類の活動が地球環境に与える影響は次第に大きくなっています。逆に人類の自然への働きかけが少なくなったことによる影響も同様に大きくなっています。

一方、自然には浄化能力、再生産能力があります。森林によるCO2の吸収や、微生物の働きによる汚染物質の分解等様々です。いつ頃まで、自然が人類の活動を受け入れることができていたかはわかりませんが、現在は既にその限界を超えており、環境汚染、資源の枯渇、生物種の絶滅等、自然環境が危機的状況に陥っていることは明らかです。冒頭に述べた地球温暖化に代表されるように、その危機的状況に警鐘を鳴らす出来事が多数確認されるようになりました。

人類は既に、共生という“環”の外にいます。人類の活動により地球生態系の"環"の一部を損なうと、どのような波及的影響が生ずるか予想しがたいところです。このままでは、人類及び地球上に住む全ての生物が将来にわたり地球上で生存していくことができなくなるかもしれません。

自然の浄化、再生能力だけでは、この危機的状況を回復させることはできません。私たちは、離れてしまった共生の“環”との距離を縮め、人間を含む地球上に生きる全ての生物と末永く共生していけるように努力する責務があります。

次は、人間が自然に対し貢献する番です。

温暖化対策や、リサイクルの促進、省エネルギー開発等、人間が自然に対し貢献できることは様々です。もちろん自然再生もそんな貢献の1つと言えます。

釧路湿原の自然再生は、世界的な自然再生の一部であり、日本の自然再生の先駆的事例です。