自然環境: 栄養塩とはなんだろう?  
栄養塩とはなんだろう?

栄養塩と呼ばれるものは、主に窒素、リンなどで、これらは生物の生命を維持するうえで必要な主要元素です。 これら栄養塩は主に工場廃水や生活廃水、また農地からの流出水(窒素・リン系肥料分を含む水)に含まれています。 これらが水環境に過剰に排出されたとき、湖沼や閉鎖系水域(東京湾や瀬戸内海等)にて赤潮、青潮等の深刻な環境被害をもたらします。 ではこの栄養塩の湿原に対する影響はどのようなものがあるのでしょうか? 


湿原はその植生や土壌中にこれら栄養塩を多く取り込む働きがあると考えられています。これは湿原下流での水環境の観点からは肯定すべき事実であり、米国などではこの湿原の浄化機能に着目、それを人工的に作り出して面源からの汚染水排出浄化に用いようという取り組みも見られます。しかし湿原自体は過剰な栄養塩を取り込むことで何らかの負荷が蓄積されます。 自然界のバランスを無視した栄養塩の供給は、湿原の植生を変えてしまう可能性も指摘されています。
ハンノキの加速度的な拡大などは土砂流入による乾燥化に加え、供給される栄養塩組成が代わったことに要因があるとも言われています。

 

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