自然環境: 釧路湿原流域の地勢 |
釧路湿原流域の地勢 釧路湿原は、屈斜路湖を水源とする一級河川釧路川の下流域に発達し、その面積は2,510km2にも及びます。湿原域の約8割は、周辺部からの流入水によって涵養されている低層湿原です。 釧路川本流の源流域には、屈斜路・摩周の両カルデラが位置しています。また流域西側には、阿寒湖を湛える阿寒カルデラの東側斜面があり、数多くの支流の源流域となっています。 湿原縁辺部の東部には、塘路湖、シラルトロ湖、達古武湖の3つの海跡湖が分布しており、その背後には標高100m前後の台地がひろがっています。これは中期更新世以前の高海面期に海底にたまった土砂の堆積面が、その後の海水面の変動によって陸化・海岸段丘化したものです。湿原西部の恩根内ビジターセンター付近にひろがる台地も同じ段丘面として区分されています。 一方、湿原の北側には、鶴居丘陵とよばれる火山性の台地がひろがっています。これらは現在の阿寒カルデラをつくった火山が噴出した火砕流等が堆積してできた地形です。この噴出・堆積は、前述した湿原東部の段丘を構成する堆積面が陸化した後に起こっています。そのため鶴居丘陵の南部に位置し湿原と接している宮島岬やキラコタン岬付近は、東側段丘と同じ堆積面の上に火砕流堆積物が覆っているという、複合的な成因をもっている地域になります。 また、鶴居丘陵を縫うように流れる雪裡川や久著呂川の各河川沿いでは、河岸段丘面をみることができます。 |
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