自然環境: ハンノキ林の拡大  
ハンノキ林の拡大 

 2000年のハンノキ林面積は1977年と比較して2倍以上に拡大しています。1977年の分布域は湿原西側に偏っていますが、2000年の段階では東部の湿原末端部(塘路湖・シラルトロ沼の上流部)にも分布域が広がっています。

 このような、ハンノキ林の急激な増加は、農地化のような直接的な湿原域の改変とは異なり、湿原域周辺における開発の湿原環境への間接的な影響を示す指標と考えられています。 具体的には、湿原周辺地域の河川に隣接する農地からの土砂流入や地下水位の変化に伴う乾燥化がハンノキ増加の原因として指摘されています。また、河川に隣接する地域の土地利用が少ない湿原東部などでもハンノキ増加が見られることから、周辺地域からの栄養塩の流入も増加原因の一例として考えられています。

 しかし、湿原におけるハンノキの分布傾向を明確に説明するデータはいまだ乏しく、釧路湿原でもハンノキに関する研究・実験が進行中なのです。

 
1977年ハンノキ分布図(クリックすると拡大します[2.8MB])


2000年ハンノキ分布図(クリックすと拡大します[2.8MB])
 

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