ここでは、4章に掲げた目標を達成するために必要な施策を7つの分野に分けて具体的に挙げています(下の注を参照)。これらの分野は相互に関連性を持っているので、総合的に計画を立てて進めていくことが重要です。
ここに挙げた施策は、今後、目標を少しでも達成していくための手がかりとして考えられるものを例示しています(1)。これら以外の施策についても、必要に応じて追加していきます。
現状の把握や評価方法が明らかになっていない分野では、参考となるデータを紹介しています。不足しているものについては、充実させていく必要があります。
達成すべき目標の設定と評価方法については、以下のように考えています。
- ・数値的な目標は、今後、情報の集積と協議会での検討を重ねて具体的に設定していきます。
- ・個別の事業の評価とは別に、流域全体でどのように変化したかについても評価します。
- ・各施策の達成状況は、5 年ごとに点検し、10 年ごとにそれに基づき施策と評価方法を見直すようにします。ただし、緊急に対応すべきことや修正しないと重大な影響が出るときには、必要に応じた見直しをします。
(1)個別の事業の詳細な計画はここに示していませんが、それらは各事業の「実施計画」などに詳しく記述されることになります。 |
注)「目標(4章)」と「施策と評価方法(5章)」の関係と区分方法について
自然再生の目標と、その達成のための具体的な施策、成果の評価方法の関係について、以下の図のようにまとめました。
4 章では、3つの分野に分けて流域として目指すべき目標を掲げ、その達成状況を評価する項目を整理しました。この5 章では、それらを達成するための具体的な施策を7 つの分野に分けて示しました。
まずは、現在の釧路湿原を維持するため、国立公園などの制度による保全体制を構築することを前提とし、もっとも基本となる湿原生態系の保全・再生を施策1としてまとめ、湿原とつながりを持つ河川の保全・再生、丘陵地の森林の再生をそれぞれ施策2・施策3としてまとめました。この3 つの施策は主に生物環境に関わる施策です。そして、それらの生物環境の間で行き来する水や物質の循環系については施策4に、土砂の移動については施策5にまとめました。また地域産業と連携した湿原の賢明な利用、地域づくりの推進については施策6にまとめました(2015 年の見直しにおいて新設)。さらに、これら6 つの施策をより円滑に進めるための、自然再生の普及と環境教育・市民参加の促進についての取り組みを施策7 としてまとめています。(図をクリックすると拡大します)