自然再生事業について: 世界の自然再生[ドイツ 2] |
ドイツの事例 ウンターゼー・ライフ・プロジェクト ![]() 権利と人間の権利の譲り合い ボーデン湖はドイツ南部、スイスとの国境に位置する湖で、湖岸はバーゲン・ヴュルテンベルク州に属しています。 河畔林の復元・保全 定期的な洪水に適応してゆたかな野 生生物の生息空間を作っていたア一八川沿いの雑木林・河畔林を復元、11haの耕作地を買上げてうち3haで自然の遷移に任せた成長を見守っています。 湖岸の再自然化 自然の湖岸200箇所の底質、生物相などを詳細調査した上で、対象地区(計400m)のコンクリート護岸を除去し、再自然化のため、沖合いへの浸食防止用の石の投入、砂利・土砂敷き詰め、湖岸の土盛り、植林などを実施。 旧河道の復元 直線化が進んだラドルフツェラー・アーハ川下流部で、切り離された旧河道に再び本川の流れを結合し、水が流れるようにしています。土質が柔らかく機械的な工事が難しいため、ヨシなどの植物を使った堰を利用する予定。 自然志向の土地管理 自然の河畔林と粗放的農地により多様な生物生息空間を創出し、地力維持のための農地利用から生まれる草原には、洪水時の氾濫原としての機能を果たさせます。そうした状態をめざし、100年間の農業形態の変化で侵入した低木の伐採や家畜による管理を現在進めています。 川岸の草原の保全 川岸の再自然化で戻ってきた希少な草花の環境を守るため、植栽や一部立ち入り禁止区域を設定。 駐車場の移動 遊泳場の駐車場を、自然保 護地区の動植物生息圏から隔離。 ガイドツアー等の実施 ボーデン湖に注ぐラドルフツェラー・アーハ川は、水系面積261m²のなかに広範囲に地下水の流出場所があり、その影響から頻繁に起こる氾濫が、独特の変化に富んだ河川・ヨシ原の景観を作り出しています。このため流域に4箇所の保護区も設定されていますが、19世紀後半から、排水効率の改善、洪水防止を目的として、河川の大半が直線化されました。再蛇行化事業は、1988年の大洪水をきっかけに、91年、地元NGOドイツ環境自然保護連盟(BUND)が地元自治体とともに取り組みを開始したものです。この事業で人間が行なったのは、コンクリート護岸や川底のコンクリート床などの撤去と氾濫時に濁流を受け止める原野の確保のみである。自由に流れる「川の権利」を認めることが掲げられ、人間の権利との譲り合いがテーマとなりました。 |
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