湿原と人: [湿原と産業 林業] 木材生産重視の林業から森を活かす林業へ |
木材生産重視の林業から森を活かす林業へ 釧路地方は雄大な阿寒山系を有し、そこを中心に39万ヘクタールにもなる豊富な森林資源に恵まれています。 民有林に比べて国有林が多く、また森林のおよそ30%は人工林でその主体はトドマツ、カラマツといった針葉樹です。 湿原周辺域でよりも、流入河川上流域において、主に木材生産が行われてきました。カラマツは主に、炭鉱の杭材として使用され、かつて鉱業が盛んであった頃の名残となっています。 ![]() それでも明治の開拓時代から、釧路川や阿寒川の水運を用いて切り出した木材を釧路に集積する釧路地方の林業は、長い間地域の主要な産業として位置付けられてきました。 昭和30年(1950年)頃の拡大造林期における乱伐による資源の枯渇、輸入材の増加により林業は停滞し、林家戸数は減少し続けています。 そこで近年は木材原料の生産を主体とする林業から転換し、山地災害防止機能、洪水防止機能、水資源の涵養機能など森林のもつ多面的な機能の発揮や、豊かな自然景観の保全、リクリエーションの場の創出といった森林の多目的利用を目指した森林管理に取り組んでいます。 |
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