自然再生釧路方式: 自然再生事業の長期目標  
自然再生事業の長期目標

自然再生を行う上で、3つの長期目標が設定されており、これらを柱として、自然再生事業は進んでいきます。これらは、地域の生活や産業と両立させながら、釧路湿原の消失、悪化傾向に歯止めをかけて、回復の方向に転ずることを目指しています。また、河川環境に関する提言を踏まえ、湿原の集水域全体を含めた広い視野の中で、人と湿原との関わりを見直し、より良い方向を模索することを念頭に置いて考えられています。


自然環境の保全・再生

自然再生のためにはまず、今ある良好な自然を保全していくことが不可欠であり、加えて、傷ついた自然の再生に向けた多面的な取り組みが必要です。自然の再生とは、何かを造るというよりも自然に対する悪影響を取り除くことによって、自然自らの力で回復していくことを手助けするものです。その際、生態系は複雑で不確定なことが多いことから、自然を壊すことのないように丁寧な手順や方法が必要です。しかも、30年、50年がかりの域の長い地域に根ざした取り組みが必要になります。  

農地・農業等との両立

釧路湿原自然再生事業では、事業と農地・農業との両立を目指します。釧路湿原周辺部では、農地開発による明渠・暗渠排水路の設置と河川の直線化が進み、農地は河岸ぎりぎりまで迫っています。こうした土地利用の特性からみて、再生事業を進める上では、農地・農業等との両立が重要です。
写真中の緑色の箇所は、農地、赤色の箇所は国立公園の境界線です。
 

地域づくりへの貢献

釧路湿原自然再生事業は、長期的な地域づくりの取り組みの1つとしてとらえることができます。自然再生は、自然環境の保全・再生を直接的な目的としつつ、長期にわたって事業を進め、究極的にはその地域にふさわしい人と自然との豊かな関係の回復をめざしており、地域づくりと深いかかわりをもっています。新しい取り組みによる地域イメージの向上、観光振興や産業育成等、地域経済への貢献をもたらすことを目指しています。
また、地域合意のもと、市民参加、省庁間連携、事業評価等、地域主導の新たな公共事業のモデルとして展開していきます。

 

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