第7回再生普及小委員会 議事要旨

行動計画2005年度具体的取り組みの報告書について

前回会議からの経緯、2005年度具体的取り組み報告書についての説明・報告が事務局により行われた。

(事務局)

報告書作成にあたり、各々の取り組みの評価方針として、量的指標については、具体的なものは実績を記載する。質的指標については成果としてコメント的に記載する。というふたつの観点から行っている。

報告書の内容は、ホームページ上でも掲載したい。

行動計画2006年度具体的取り組みについて

2006年度ワンダグリンダプロジェクトに応募があった取り組み内容及び今後のスケジュールについての説明が事務局より行われた。取り組みについては公表し、ホームページ上ではカレンダーで取り組み日程も公開され、応募はこれからも随時受け付けていくことが報告された。

トイレのあり方検討会について

トイレのあり方検討会のこれまでの検討経緯の説明、さらに今後現地を調査して報告書案を作成し年度内には小委員会にかけて検討結果の報告をするという説明がなされた。

(事務局)

釧路川流域におけるトイレ設置の必要性については、カヌー事業者18件、愛好家団体 3件、計21件からアンケートを取った結果、トイレ設置が必要なのは細岡と岩保木水門であった。細岡では「設置すべき」と前向き賛成された方が約50%、岩保木水門が約38%であり、他場所については20%前後であった。細岡の賛成が多いのは、集中期に人が大勢訪れるので、駅トイレだけでは数が足りないという問題があると思う。しかし国立公園などで、集中期に合わせた規模で設置をするとなると、排水処理に多額の費用がかかってしまい、さらに維持管理もしなければならない。しかし市内観光をするのと釧路湿原を観光するのでは同じ考え方ではいけないという意見もある。ある程度の不便を享受しアウトドアのあり方を考える必要がある。今後はこのような背景も踏まえながらトイレのあり方について検討していく方向である。

今後、コースを踏査して不便の程度を調査し報告書案を作成して年度内には小委員会にかけて検討結果の報告をしたい。

環境教育ワーキンググループについて

前回の小委員会で事務局から、環境ワーキンググループを解散したいと提案がなされた。それまでの経緯が説明された。さらに今後の方向性の考えが示された。

(事務局)

環境教育ワーキンググループは、環境教育ガイドと人材バンクプログラムを作成し、平成16年3月に管内の市町村の教育委員会と小中学校に配布した。環境ワーキンググループ当初の設立目的は、この環境ガイド及び人材リストの作成であり、平成16年3月の発行・配布により目的が達成されたことで、現行のグループを解散したいということが報告されている。今後の方針として教材を利用した改善・フォローアップが必要である旨の意見があり、今回の小委員会の議題としたいとしている。

(事務局)

環境教育は学校教育のみにとどまらず、地域住民或いは釧路市民、周辺の住民にとって意識を高めていくことを含むものである。各自治体に於いては首長部局も含めた幅広い行政機関が地域住民と連携して初めて実効性のあるものと認識している。新しく組織される場合に要望したいのは、環境行政全般を担当する機関が事務局を務めていただきたいということ。その際教育局としては、環境教育資料の普及・活用に向けた活動など、さらに学校教育とのパイプ役、コーディネート機能といった役割を果たしていきたい。

(委員長)

再構築を前提としてワーキンググループを考え直し、或いは作り直していきたい。まずは色々な方の意見や様々な立場の意見を聞いて、皆で納得する形で進めていきたい。

(委員)

社会教育の分野にも環境教育は広めていくべきと思う。

(委員)

事務局を設ける所については環境省が良いのではと思う。

(委員)

環境教育は本州では広く行われており修学旅行にも取り入れている。このような流れは市町村が主導していることが多い。民間では観光協会が担っているケースがある。

教育に参加する我々など市民のやる気を高めてから、行政にまわしていければと考える。

(委員)

環境教育の基本となる指針が必要である。基本となる指針が明確でないから色々と問題が発生するのだと思う。時間をかけても良いのであれば議論してから進めた方が、環境教育を行うグループも進めやすいのではないか。

(委員)

先日、釧路市民や地域の人々もどのような行事が行われているか知らなかったという例があり驚いた。

これまでに作った本を活用すべきだと思う。また協議会に参加している多くの人やグループをもっと利用するような見やすい人材リストへ改訂する必要があると思う。

(委員)

事務局はなかなかすぐには決まらないのではないか。

(委員)

全国大会の事務局を行ったときに、子供たちに色々な博士がいることを知った。シジミ博士、木の博士、川の博士など。環境教育の一つの中で、地域の子供たちの中にも湿原の博士やザリガニの博士などが現れて、その博士が生き生きとして大人たちに語るという逆パターンも良いと思う。

(委員)

自然再生協議会の環境教育を進めていく上で、共通の認識に立ってもらう一つの指針を設ける必要があるのではないか。共通の指針、テキストを用意する中で、釧路湿原の自然再生における環境教育のスタイルはこれだいうものを持って指導にあたることで違いがでると思う。

釧路湿原の環境教育を全体的に見通せることが出来るのは、環境省だと思う。

(委員)

作成された人材リストを具体的に使うには、コーディネーターが必要であり、コールセンターのような窓口が必要ではないか。例えば、北斗の湿原展望台に環境デスクを設置し、教育大学とも連携をとって、釧路湿原のことは教育大学か環境デスクに問い合わせればコーディネートしてくれる、ということが出来るのではないか。勿論予算の問題があると思うが、せっかく作ったものをもう一度活用する場を考えることが、もう一度環境教育について考えることより良いと思う。

予算についても、行政は観光を産業としていくのであれば、それなりの心構えが必要であると考える。

(委員長)

一番大事なことは、その活動を釧路の市民全体が共通理解として支える、応援するというような、そういう気持ちを一人一人の市民の方に持ってもらい参加してもらう。そして今ここで考える環境教育というのは、小学校を中心とした学校教育の中の環境教育を越えなければならない。また市民レベルまで広がった時に皆がこの自然再生の活動をどこかで応援する、できる範囲で支えるといった状況を作る責任があると思う。今私たちは釧路湿原再生のための行動をしている訳で、それが少しでも多くの人の理解と協力を得ていかない限りは、一部の人たちの或いは行政レベルに限定された形の義務化された活動に終わってしまう危惧がある。だからこそ市民参加により釧路湿原の大切さとか、存在価値とか意味合いというものを理解してもらえる活動を行い、続けなければならない。

(委員)

行動計画ワーキンググループが中心となって色々な活動の輪を広げており、その枠組みを使って環境教育分野の取り組みをいかに進めていくのかという検討があると思う。これは環境教育ワーキンググループの形を変えるということではなく、行動計画ワーキンググループが中心となって行うべき課題の一つだと考える。

(委員長)

環境教育の中にはこれから育っていく子供たちに色々な形で釧路湿原の事を知ってもらう、経験してもらうということを含めた、特に学校教育に限定はしないが子供たちに早くからそういった感性を植え付けていくという考えに、学校教育もまったく無関心でいられるはずがないと思う。学校教育の中でいうと先生方がまだ子供たちに実質的に湿原の大切さとか環境教育を教えるという形が、釧路の或いは道東の学校でありながら少なくとも自慢できる状況ではないと思う。何らかの働きかけをしない限りは湿原再生の運動はごく限られた範囲での活動に終わってしまうという危機感がある。

(委員)

環境教育で何を行うのかをはっきりさせなければならないと思う。 3つワーキンググループを抱えている小委員会で、今後何を行うのか整理していった時にどういう枠組みで行ったら良いか考えた方がよいのではないか。

(委員長)

既存のワーキンググループをもう少し成長させる形で、目的をより明確化する形で行えるかもしれない。色々な可能性が今日お話を伺っていて、八方塞がりではないなという感触があった。

次の小委員会では、ワーキンググループで作成した環境ガイドと人材リストを配布して見てみたい。

(委員)

学校教育において、私も一昨年から湿原学習を行うときにお手伝いをしているが、本州の方が進んでいると思う。また一般では、先週ビジターセンターに私が案内したが、大勢訪れており、一般市民の方々もかなり関心を持っておられる。それをどうコーディネートするかは私どもの一つの課題だと思う。

(委員長)

再生普及小委員会では、釧路湿原の再生の活動を市民全体に広げる為にどういうことができるかと議論している。環境教育を、釧路湿原を再生する為の具体的な活動の外にあるものとして論議しているつもりはない。

また次回このような機会を是非設けて、今日のお話を受けて一歩でもいいから前に進んだ形の議論に移っていければと思う。