第3回再生普及小委員会 議事要旨
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1 開会
(事務局)
釧路湿原自然再生協議会第3回再生普及小委員会を開催する。
小委員会に先立ち配布資料の確認。
議事進行は高橋委員長にお願いする。
2 議事
(委員長)
本日の議事は、各ワーキンググループの検討状況が主な議題となっている。
まず「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン(案)」についてガイドライン作成ワーキンググループ事務局から説明してもらう。
2-1)-1 「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン(案)」について
国土交通省北海道開発局釧路開発建設部治水課に事務局を置いた「釧路川カヌー利用ガイドライン策定ワーキンググループ」は検討を重ね、ガイドラインの作成を進めてきた。検討経緯の報告とガイドラインの内容の承認を受け、これを完成させ活用したい。
(事務局)
カヌーガイドラインの検討経緯は、ワーキンググループを8回、利用者との意見交換会を3回開催するとともに、新聞広告とホームページでパブリックコメントを募集し、すすめてきた。
意見交換会で出た主な意見は以下のとおり。
- ワーキングではカヌー利用と自然環境への影響を中心に検討し、安全面に関しては釧路川カヌーネットワークに検討を任せるべきである。
- カヌーを制限するようなマニュアルであれば反対である。
- 発着場所は定められた所を使用すべきである。
- 安全面、環境面から、入川登録制度を実施すべきである。利用状況を把握すべきである。
- 自然環境を守らなければ自分たちが楽しめないという共通認識をもとに議論しなければならない。
- ワーキングなどが将来的に継続されないと、行政と利用者との話し合いの場が無くなるので、しっかりとした組織づくりが必要である。
- トイレの設置の検討を進めるべきである。
- 釣り人のマナーも考えるべきである。
これらの意見を踏まえ、ワーキングでガイドラインの案を作成した。内容は以下のとおり。
- 目次構成
- …策定趣旨、安全に対する配慮、自然環境に対する配慮、普及・啓発、今後の取り組み、情報マップ
- 策定趣旨(基本理念)
- …ワイズユース、野生生物の生息・生育環境の保全、ルール・マナーの遵守、安全に対する配慮。
- 安全に対する配慮
- …カヌー利用の基本事項、釧路川の特徴と注意事項、乗降時の心がけ、事故発生時の対応。詳細はカヌーネットワーク作成の「安全マニュアル」参照(現在作成中)。
- 自然環境に対する配慮
- …ルール・マナー、タンチョウなど水鳥に対する配慮。
- 普及・啓発
- …積極的な普及・啓発活動を実施(公共施設、カヌー業者の店などにガイドラインを配置、HPへの情報掲載、など)、関係者とのコミュニケーション。
- 今後の取り組み
- …引き続き意見交換を実施し、ガイドラインの充実を図る。
- 情報マップ
- …ブロックや倒木など注意箇所の赤マーク、その他、発着場所、トイレ、駐車場、インフォメーションボード、入川受付ボックスのマークなどを、地図上に記載。
- 困ったときの連絡先、問い合わせ先を記載。
(委員長)
今回の小委員会でガイドラインを検討し、承認するということと理解する。
カヌーガイドラインについてはかなり長い時間をかけて検討が進められ、この形まで持ってきた。前回の小委員会で入川ボックスはリアルタイムでなければあまり意味がないのではないかという意見があったが。
(事務局)
すぐに対応するのは難しいが今後検討していきたい。入川ボックスの管理は、カヌーネットワークが行うことで現在調整中であるが、シーズン中は業者がおそらく毎日発着場所を利用していることから、利用状況は一日何回かのチェックができるのではないか。
(委員長)
トイレの問題についてはどのようになっているか。
(事務局)
担当事務局は別の機関であるが、カヌー利用者の間で最も意見が多いことでもあり、今後、検討をすすめていきたい。
(委員)
安全性の問題がカヌーでは一番重要。禁止事項などを作って、どういう方を入川させるかといったことをチェックする機関のようなものがあってもいいのではないかと思う。
(委員)
カヌーにはそれなりの技術レベルが要求され、必ずしも安全な乗り物ではない。ラフティングボートがカヌー航行や川の自然に影響を与える問題をどうするか。
(委員)
色々な形態の利用の仕方が増えてくると、オーバーユースというものが心配される。
(事務局)
オーバーユースについては、実態が良く判っていない段階で書くことは不可能だった。今後調査分析したデータに基づいて環境との関わりを分析した上で検討していきたい。
(委員)
厚岸の別寒辺牛川では、地域のガイドラインのようなものを作って、必要な情報やアドバイスとかを伝え、手作りのライセンスカードを出す。これを貰った人はどんなところに気をつけて、どんなふうに楽しめばいいのかという情報を、あらかじめ得た上で楽しんでいる、という事例がある。事故を防止するためにどういう心がけを皆にしてもらうかという枠組みを作ることが大事。入川ボックスを設けたり、届出を受ける場所で情報を提供したりするのも、ひとつの方法だと思う。
(委員)
入川ボックスで情報を提供するというのも大事なことのひとつだ。釧路にはビジターセンターなども要所要所にあるので、カヌーをする人にリアルタイムに伝えたい情報を提供していく仕組みを作っていくことが大事だ。関係機関が協力して様々なモニタリングを行い、必要に応じてガイドラインを改善していくべきだと思う。
(委員)
携帯電話を使って、どこそこから何人、何艇で入ると連絡し、その記録を取っておけば、リアルタイムで利用状況を把握できる。その艇が入った時に、沈木があったとか、瀬ができているといった報告を求めてもいい。そうすればまさにリアルタイムで川の情報がネットワークに入ってくる。それを更に伝えることができる。双方向的に情報をもらえるそんな仕掛があればいいと思う。
(委員)
河川管理者の立場とすれば、河川に関する情報を提供し、あとは自分の力量で楽しんでもらう。それが自然環境に間違いなく影響を与えるということになれば規制の対象になるが、今は安全性に関する情報を伝えることを趣旨として、こういうものを作っている。
(事務局)
インフォメーションボードには掲示板のようなものを設けて、業者からの大事な情報を随時書き込めるような形にして、双方向の情報交換ができるようにしたい。
(委員)
接岸を避けるというのは発着場所以外では接岸しないということか。改訂などは小委員会で検討するということか。
(事務局)
野生生物に影響を与えないように心がけて欲しいといったニュアンスのものである。改訂などは、ワーキングを継続し実施していきたい。
(委員)
後半では上陸や接岸は避けるとあって、前段では曖昧な記述。接岸していいのか上陸していけないのかその辺りが分かりにくい。
(事務局)
鳥は移動するので具体的な場所は示しがたいが、有効であれば検討はしたい。また、接岸した方がよいという場所はなかったと考えている。
(委員長)
我々がどうしてこういう行動をとらなければいけないのかということをよく周知させることと、それを避けるための場所をあらかじめ明確にセットするという方法で、皆に楽しく安全に配慮してもらうよう検討してはどうか?
(委員)
釣り人の場合川に近付かなければ釣りはできない。その辺の問題も考えなければならない。
(委員長)
カヌー、釣に限らずアマチュアカメラマンなど、色々問題が出てくる。ガイドラインには啓発的な意図も含まれているので、これを地道に続けていくことが一番大事だと思う。更により良いガイドラインを作っていくための話し合いを続けていってもらいたい。
(委員)
今回の修正でなくてもいいが、全体として文章がこなれていない。もっと直裁的なほうがいい。この時期この鳥はこうしているとかを記した季節カレンダー的なものも欲しい。
(委員長)
今までのことを考慮して、原則的にはこの形でガイドラインとその概要版を作成するということで、小委員会として承認したい。
2-1)-2 「釧路湿原保全と利用の総合ガイドマップ」について
環境省東北海道地区自然保護事務所に事務局を置く「釧路湿原保全と利用の総合ガイドマップ作成ワーキンググループは、既にガイドマップの印刷まで作業を進め、販売方法や販売利益の一部を湿原保全に役立てる方策を小委員会に具申した。
(事務局)
ワーキンググループの委員の方々に、これまで多大なご尽力をいただき感謝する。売り上げの一部を湿原の保全に役立てると刷り込んでいきたいと思ったが、出版元などとの関係で難しかった。湿原周辺の公共施設で販売をする場合は、通常より安く仕入れることがでるので、その分を寄付できるようにしたい。ガイドマップの内容については、今後意見・要望を集約して改訂していくつもりなので、引き続きワーキンググループを開いていきたいと思う。
(事務局)
その寄付をどうするのかということについは、本日午後からの自然再生協議会の中で、寄付金を受け付ける規則を設けるという提案を事務局からさせもらう。
(委員長)
取りあえず今日完成したので、これを様々な所で販売してみて反響を待つ。それに基づいて必要があれば改訂版とかを将来考えるという方向だ。
(委員)
林田先生の名前が違うので、刷り直す機会があった場合直していただきたい。
(委員)
自然環境情報図の中に、人工衛星画像とか地図画像とか、無料で使えるものがあるので、それらを有効活用するとよい。
(委員)
監修が環境省となっているが、国の機関の監修料の受け取りについてはいま問題となっており誤解を与えかねないので書かないほうがいい。
(委員長)
もし別の表現なりがあれば考えていきたい。このガイドマップがどのくらい人に喜ばれるか、認められるか、関心を持って見守りたいと思う。
2-1)-3 第1回再生普及行動計画ワーキンググループの開催状況について
「市民参加・環境教育の推進に関する10の提言」を具体化することを目的として設置された再生普及行動計画ワーキンググループの方向性と今後の開催状況を討議した。
(事務局)
このワーキンググループの目的は、10の提言に関しての関連事業や取り組み全体を取りまとめ、実行に移していくための具体的な計画を作ることである。
委員のメンバーはプリント記載の個人・団体の方に参画いただいている。
まずは今月5日の第1回ワーキンググループで検討された方向性について説明したい。釧路周辺で行われている各種の自然環境保全等に関する取り組みや事業は、各個別に執り行われている状況にある。民間で行われている活動の中には、自然再生事業や10の提言を意識せずに行われている活動もあるが、これらに関連付けられるような取り組みについては、この趣旨を盛り込んでもらえるよう働きかけていく。
10の提言は夫々の提言ごとに各々に更に細かい項目がある。これらの優先順位を検討した上で「できる者」が「できること」から着手することを原則に行動計画を立てる。
行動計画については完成版を目標とせず、常に成果を評価し、見直しを繰り返していく必要がある。そのため、その取り組みの評価と改善の「仕組み」を作ることを考えている。
地域・市民の意見の継続的な把握や、その反映や行動の輪を広げ普及させていく手法、特に情報発信を検討していく。検討テーマに応じてメンバー以外の関係者にも出席を願い、広汎なアイディアをいただく。以上がワーキングの検討の方向性。
スケジュール(案)は、第2回のワーキンググループを9月上旬に予定。その後2ヶ月に1回程度をメドにワーキンググループを順次開催。年度内に行動計画の素案を、来年度第6回のワーキンググループで行動計画を取りまとめ、再生普及小委員会で検討するというスケジュールを立てている。
(委員長)
このワーキンググループは様々なワーキンググループのうちのひとつと言うより、10の提言の具体的な行動計画を作って動くためのワーキンググループなので、機動力を持ち、柔軟に動くということが特徴だと思う。予定や計画に縛られずにフリーに動き、提言の具体的なもの、重要度の高いものから進めていって欲しい。ワーキンググループの会合なり予定というものは、メーリングリストやファックス、郵送で伝えるようにする。
(委員)
この後ワーキンググループを開く場合は、次の回にはこのことについて議論し合おうとテーマを決めてやっていくことになると思う。
(委員長)
自然再生協議会の方には、小委員会の中にこういうワーキンググループを立ち上げて動いているということを報告したい。行き過ぎに充分配慮しながら、色々な情報をできるだけ早く伝えていくという方向で進めていきたい。
(委員)
メーリングリストでパスワードを入力しなくても見えてしまう。何のためにパスワードがあるのか。
(委員長)
一般にどなたでも見ていいですというものと、パスワードを設定して或る程度制限を加えているものとの両方がある。
他に議題はないので、議事を終了する。