第1回再生普及小委員会 議事要旨
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委員長の選出について
協議会設置要綱第10条第3項に基づき、小委員会出席委員の互選により高橋忠一委員(北海道教育大学釧路校 助教授)が再生普及小委員会の委員長に選出された。
全体構想と小委員会の関わりについて
釧路湿原自然再生事業における再生普及小委員会の目的や役割、これまでの検討経緯や全体構想の骨子案と同構想への小委員会での検討内容の反映等について事務局より説明が行われた。
(事務局)
小委員会の検討内容として、環境教育の推進、湿原景観の保全、自然再生の市民参加の推進、保全と利用の普及啓発などがあり情報発信も大きな役割の1つである。
(委員)
資料の作成経緯が分かりにくい。「検討概要」で「自然再生への市民参加の推進」とあるが、以前の提言では「湿原の調査と管理に関する市民参加」となっていて、「自然再生」に限定した経緯・目的はどうなのか。また、この中に情報の共有化という項目があるが、この項目に限らず、もっとも大きい項目にすべき。
(委員)
再生普及小委員会は、地元の近いところから始めるのはもちろん、日本全国とか世界へ向けて考えるべきである。
これまでの調査・検討経緯について
3つのワーキンググループと1つの検討会の検討の経緯についての説明が行われた。
釧路湿原環境教育ワーキンググループ
(委員)
釧路湿原環境教育ガイド(学習テキスト)の作成及び地域リーダーのネットワーク化、育成方針の作成に取り組んできた。総合的な学習の時間などで実際に活用し、現場の意見を聞いて修正しながら考えていきたい。また、「わくわくエコランド~くしろ環境教育フェア2004~」という小中学生から地域の団体まで環境に関わる部分についてのこれまでの取り組みをポスターセッションで発表するイベントを実施する予定。
(委員)
地域レベルでやっていることについて宣伝する。みんなで普及するということが重要でないだろうか。そういう実績を教材の中に含め、視野を広げていくことも普及活動に厚みを増すことにつながるのではないか。
(委員)
環境教育のところで、学校教育系の環境教育と、社会教育系の環境教育がうまく連携をとれる形を作れないだろうか。
(委員)
再生事業と環境教育は分けて考えるものではなく再生事業そのものが環境教育になり得ると考えていいのではないか。
(委員)
イタリアの事例で、農家の人たちが、どのように環境管理をしているかと言うことを学ぶ意味での社会的環境教育、これは農家の方々による環境教育。それと実際にそれを参加者に説明するために、農家自体も農業従事者も勉強しなければならない。これが実際の農業従事者の環境教育。そういう二重構造になっている。要するに、地域の人がベースになっていて、地域環境のことを一番理解しているという形を作ってからでないと、事業が積み上がってきたときに地域の合意形成や地域振興に生かすこと、新たな環境教育や湿原利用の形に生かしていくような組み立てが出来ないのではと考えている。
釧路湿原保全と利用の総合ガイドマップ作成ワーキンググループ
(事務局)
釧路湿原にいろいろな規制がかけられていているが、どういう規制なのか、どういうところに注意しなければならないのか、広範な情報提供ということを目的とし、情報はわかりやすく、かつソフトに伝える総合マップを目指す。
(委員)
実際にマップを現場に持って行ったときに、保護区の区域がどこかということで悩む。国立公園に入った、特別保護地区に入ったという目印のあるなしなどの情報もそこに入れるとより身近に使っていただけると思う。
(委員)
地図情報、現場情報として、地域のローカルFMを使うとか、カーナビに情報を入れるとか考えてもいいのではないか。
釧路川カヌー利用ガイドライン策定ワーキンググループ
(事務局)
釧路川でのカヌーの実態を把握する必要があるのではないか、ルール・マナーの情報を提供する必要があるのではないかなどの意見により、賢明な利用を図ることで釧路川、釧路湿原の自然環境をできるかぎり健全な形で次世代に引き継ぐこと、自然環境や周囲に暮らす人々の生活に関して、できる限り負荷をかけないことを究極の目的として、「釧路川カヌー利用ガイドライン」を策定する。安全に関する事項については、安全対策のネットワークという別のところで具体的な検討がなされているので、自然環境への負荷低減に関する事項を中心に検討を進め、今年の夏のシーズンには試行する目標で作っていきたいと考えている。
釧路川におけるトイレのあり方検討会について
(委員)
カヌー利用のガイドラインの特化したものと考えてもらいたい。釧路川におけるトイレの現状や必要性、維持方法などを調査研究し、方向性を協議していきたい。
10の提言について
(事務局)
平成15年 6月に出された「市民参加・環境教育の推進に関する提言」を単に言い放しの提言にしてしまってはもったいないので、行動計画につなげていくことが重要。誰がどういうことを担い、どういう優先順位でやっていくのか、検討していく必要がある。
(委員)
これまでの経緯は、検討概要との対応が分かりにくい。「環境教育」は実際には学校教育のみであるし、「10の提言」にはカヌーガイドラインやガイドマップが入っている。10の提言の進捗状況の表をベースに、それぞれの取り組みが何にあたるのかを整理すべきではないか。
その他
(委員)
湿原再生ということが、農家にとっても1つの付加価値を高める意味をもっていることも含めて、普及という言葉に地域の価値を高めるということが含まれていることを考えるべきではないか。
(委員)
昨年9月に実施した釧路湿原21世紀の道ウォーキングについて、参加者は130名だったが、釧路湿原ですから今年こそ946人集めて、946(くしろ)人で釧路湿原を歩きたいなと。できるなら、釧路市の継続的な秋のイベントとして発展できたらいいなと考えている。
(委員)
釧路湿原全体の情報の整理・共有化は全ての小委員会に関わる重要なことだが、どの小委員会でも扱っていない。きちんと枠を設けるべきではないか。
(委員長)
本小委員会は、情報の共有化、発信、公開など、情報データベースを作り上げるといった作業については、一番責任を負うべきところではないだろうか。
今後の調査・検討方針について
事務局より今後の調査・検討方針について説明が行われた。
(事務局)
3つのワーキンググループ及び付属した検討会を継続し、検討を進めていきたい。また、新たに「10の提言」行動計画作成ワーキンググループの設置を提案したい。これら既存または新規のワーキンググループに新たに参画をしたい委員は3月末までに事務局へ申し出ていただきたい。
(委員)
再生事業全体の全体構想を今年の夏ぐらいを目指して、まとめていきたい。優先度の高いものを柔軟に自分が事務局をやるんだというふうに提案して新しいワーキングをつくって、みんなを巻き込んでやっていくという形で新しい展開が出てくるといいと思っている。